有名誌のレシピ制作に加え、2005.4月~06.3月 ANA機内誌『翼の王国』Wine & Sweets Road にて菓子制作、レシピ提供も担当。スタイリッシュでありながらご自宅で簡単に作れ、便秘解消にも役立つレシピをお届けします。
Book:「夢見るおしゃレシピ」(メディアファクトリー おおたうに:著 / 吉田美生:料理)
いよいよクリスマスですね!そこで今回の便秘解消レシピはクリスマススイーツをご紹介。
クリスマスプディングはイギリスのクリスマス菓子で、別名プラムプディングともいわれます。本場イギリスでは、ドライフルーツやナッツがたっぷり入った生地を、長時間かけて蒸し上げるという手の込んだ作り方で、日本人がイメージするプリンよりはむしろ、蒸しパンやフルーツケーキに近いかもしれません。
イギリスでは、ケンネ脂という動物の油脂を使い、お酒もたっぷり入れて作るのですが、便秘解消レシピということで、ヘルシーに、そして簡単に作って頂けるようアレンジしました。
1.レーズンにラム酒を振りかけ、1時間(できれば一晩)おいておく。プリンカップにバターを塗り冷蔵庫に入れる。
2.プルーンを半分に、干し柿は1cm位に切る。パンも細かくカット、もしくはちぎっておく。
りんごは皮を剥かず、そのまますりおろしておく。
3.鍋に牛乳とバター、2.の干し柿を入れ火にかける。沸騰直前に火を止め、干し柿を潰すように良く混ぜる。
4.ボウルに玉子、きび糖を入れ、泡立て器でよく混ぜる。少しずつ3.を加え、さらに混ぜてプリン液を作る。
5.レーズンと2.のりんご、プルーン、パンを入れ、ゴムベラなどでよく混ぜ、パンに4.で作ったプリン液が馴染むよう、しばらく(10分程度)置く。
この後プリンカップに流し入れ、蒸し器で7~10分弱火で蒸す。
6.7~10分蒸した後、竹串を刺してみてプリン液が着いてこなければ出来上がり!粗熱がとれたら冷蔵庫に入れて冷やします。
今回使用したのはクグロフ型。通常のプリンは柔らかく、複雑な形の焼き型は使用できませんが、今回はパンやりんごなどが入り、ややケーキに近い仕上がりで、焼き型によって色々な形に仕上げることができます。是非様々な焼き型で皆さんのお好みにアレンジしてみて下さい。
また、生地に色々な食材が入っているので、すが入らないようにと火加減に慎重にならなくても美味しく出来上がります。
今回は干し柿を牛乳で煮たり、りんごのすりおろしを加えることで、果物の甘さを感じられるように作りました。よりヘルシーに仕上げたいのなら、きび糖やバターを加えずに作ることもできます。りんごやドライフルーツの甘味だけでサッパリと仕上がり、朝食にもおすすめです。
日本ではクリスマスケーキと言えばブッシュドノエルのようなデコレーションケーキが主流ですが、それは冷蔵設備が発達し、流通が整備されて様々な食材が手に入るようになった近年だからこそ。
昔からクリスマスの習慣があるヨーロッパでは、その土地や地方ごとに、いろいろなクリスマス菓子がありますが、焼き菓子が主流です。
まだ色々なものが手に入らない時代から続くそれらの伝統菓子は、夏から秋にかけて収穫した果物や木の実を乾燥して上手に使用しています。また、そのためアルコールやスパイスを効かせ、保存できるように考えられているものが多いのです。
苦手な方もいらっしゃるようですが、食物繊維が生の状態の何倍も含まれているドライフルーツは、便秘解消にはもってこいの食材です。腸内で水を吸って膨らみ、腸の活動を促進する不溶性食物繊維だけでなく、老廃物の排泄に効果のある水溶性食物繊維のペクチンも多く含まれます。便秘の解消にはこの2つの食物繊維をバランスよく取ることが大切ですので、ドライフルーツはまさに理想的な食材の一つでしょう。
また、ペクチンはりんご、特に皮の部分に多く含まれているため、今回は皮ごとすりおろして使用しました。
ライ麦パンも普通の食パンの2倍の食物繊維を含みます。さらに腸のぜん動運動を整え、活発にするマグネシウムなどのミネラル分が豊富に含まれているのも魅力的です。
ヨーロッパの伝統菓子は、長いクリスマス休暇の間に、家族みんなで楽しめるようにたくさん作ります。
焼き型を変えたり、クリスマスならではの様々な飾り付けもできますから、是非色々とアレンジしてみて下さい。お子さんと一緒に作っても楽しめますよ!